スミレの50のお祝いに

生誕半世紀を記念してしてみたこと

はじめてのピアスは、ヘタレの証明 その4

またピアスの話。

 結論から言うと、ピアスホールはつぶすことにした。

 

 ファーストピアスを一か月つけたが、穴は未完成。しっかり傷口が穴として確立されるように、毎日ピアスを付けた。

 夜もつけると腫れたため(たぶん耳を枕に押し当てるから)、毎朝、まず穴の入り口を爪でカリカリして、一晩でできたかさぶたを除去する。

それから、穴にピアスを挿す。痛くないようそーっとそーっと突っ込んで、でも出口近くで止まる。入り口同様塞がりかけているのだ。そこはえいと強く押し込んで突破。いたたた~となる。を両耳繰り返す。

 苦痛ですよ、これ。

でも、つけてしまえば痛くないし、かわいいし。スミレは努力した。

 

 ところが、そうして2週間と二日目。いつものようにかさぶたを取った後、挿し込んだピアスが、出口よりかなり手前の感触で止まってしまった。穴が塞がっている。

えいえいとぐりぐりしてみても、痛いばかりで少しも動かない。力で破るには、距離感がある。突破できるかもしれないが、かなり痛いぞ。きっと。

こんなにさっさと傷がくっついてしまうとは、スミレの治癒力は高すぎるのか?

 さて、どうする。

 

無理やり突破。→ めちゃくちゃ痛い。が当分続く。

あきらめる。→ 自由確保。

 

 一瞬だけ、迷った。が。

 はい、あきらめます。

 もうなんか気持ちの限界。毎朝の格闘に疲れた。耳のこと考えるのも疲れた。痛くないように触るのも、服脱ぐときに気をつけるのも、疲れた。

気ままで自由を何より愛するスミレには、無理なオシャレだったのだ。

 

 こうして、ピアスをつけることを放棄した。

 あぁ、かっこわるい。

ヘタレの烙印を押された気分。でも束縛からの解放感の方が大きい。

 

 はじめてのピアスは、大失敗に終わった。

何事もやってみなければわからない。

世の中には、ピアスがうまくいかない人もいるの。勉強になりましたわ。

ピアスに失敗するのは、原始の世界なら成人に失敗したようなものだろう。そんな世界なら、スミレは我慢できなかった半端な人間として扱われるな。現世の人間で良かった。50歳でその仕打ちは辛すぎる。

 

 申し訳ないのは、アシコにもらったピアスが2回しか使用できなかったことである。可愛かったのに。

多少未練を感じたものの、きっぱりできないものなのだと納得したスミレである。

 

 

 下手に傷ついた意外と厚い耳たぶが、できるだけ綺麗に回復することをひたすら願って、ピアス騒動は終わりとする。